会長あいさつ

新型コロナウイルスの扱いが5類に引き下げられ、マスクの着用が原則不要となり、イベントや旅行の開催も再開されるなど、日常生活が徐々に以前の様子を取り戻してきました。とはいえ、単位PTAの活動に日々携わる皆様は、今後のPTA活動のあり方について、少なからず悩みを抱えているのではないでしょうか。
コロナ禍によって、PTA活動や学校行事は大きな影響を受けました。修学旅行や文化祭、体育祭など、高校生活を彩るイベントは中止や縮小を余儀なくされ、保護者が学校と関わり、子どもたちの様子を見ることもままなりませんでした。
そのような状況のなか、PTAの存在意義に疑問がもたれ、PTA自体の必要性が問われるようになりました。しかし一方では人との交流が制限されるなか、PTAを通じ学校の様子を知りたい、保護者同士の交流が欲しいという声もありました。誰も経験したことのない未曾有の状況において、PTA活動に対する期待が存在することを改めて確認いたしました。
PTAに限らず、近年学校に関する話題は、ブラック職場として敬遠される教員志願者の減少や、不登校・ヤングケアラーの問題など暗いものが目立ちます。いま、保護者として学校に関わっていく重要性は高まっていると感じております。
PTAは保護者(Parent)と教職員(Teacher)により構成される任意組織です。保護者同士、保護者と教職員が良好な関係を築き、円滑な学校運営を行うことにより、教職員がベストなパフォーマンスを発揮できるのであれば、その恩恵を受けるのは何よりも子ども達です。子ども達が充実した高校生活を送ることができるよう、保護者としてなにができるかを考えていきたいと思います。
家庭環境は多様化しており、PTAの活動内容もそれに応じて変化する必要があります。また、デジタルツールの進化により、負担の少ない合理的な活動が求められています。PTA活動の目的や内容を再検討し、必要なもの、不要なものを見極めましょう。また、参加者の負担を軽減し、より実りのある活動を実現するために、工夫や改善を重ねていきましょう。
PTA活動に参加した方の感想を聞くと、「学校の様子を知ることができた」、「他の保護者と交流を深めることができた」、「子どもとのコミュニケーションが円滑になった」と、概ね好意的なものが多いです。世間でPTAに対するネガティブな印象が根強いのは、時代遅れの活動内容や、役職を押し付けられるというイメージによるものでしょう。PTA活動は、子どもたちの教育環境をよりよいものにするために欠かせない存在です。活動を通じて得られる喜びも多いです。私たちには、時代の変化に対応した、誰にとっても参加しやすいPTAを考え、このような負のイメージを払拭していくことが求められていると思います。
京都府立高等学校PTA連合会、その上位団体である全国高等学校PTA連合会が同じ問題意識を持ち取り組んでいます。是非、府高P連、全高P連が発信する情報にも耳を傾けてください。
また府高P連では昨年度、高等学校における空調機の更新を要望として提出し、本年度の空調設備の大幅更新につながりました。引き続き府高P連では京都府内の高等学校の教育環境の改善に努めていきます。皆さまのお力添えをお願いします。
最後に、来年度は近畿地区高等学校PTA連合会大会京都大会が開催されます。こちらにもご協力をお願いします。少しでも関心をお持ちでしたら是非ご参加ください。
令和5年度京都府立高等学校PTA連合会会長
鈴木 良彦(鳥羽高校PTA会長)